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公正競争規約全面改正
 
 不動産の表示に関する公正競争規約(以下、「表示規約」という。)は、創設以来42年を経過することとなり、この間、時代の変化に対応すべく12回の見直しを行ってきましたが、その結果、その内容は膨大かつ複雑なものとなり、見づらく、分かり難く、使い勝手の悪さが目立つようになりました。

このため、表示規約をより身近なものとするため、見やすく、分かりやすい規約を目指すとともに、公正な競争の確保と消費者利益の擁護という二つの基本理念に立脚し、時代の変化に対応して、新たな問題に対応する規定の整備、過剰な規制等の整理、公正・公平な措置手続きの整備等の観点から全面的な見直しが行われました。
 主な概要は以下の通りとなります。
 
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改正の目的

@ 見やすく分かりやすい表示規約の実現
A 不動産市場の変化等に対応する新たな基準・規制の導入
B 過剰な規制等の整理
C 公正・公平な措置手続きの整備

 
  改正の注意点 

1.デメリット等の明示義務のある特定事項に次の2点を追加
@  路地状部分のみで道路に接する土地であって、その路地状部分の面積が土地面積のおおむね30%以上を占めるときはその旨を表示すること。  [施行規則第9条第4号]
  [施行規則第9条第4号]
A 建築工事着手後、相当の期間にわたり中断していた新築住宅等については、建築工事
着手時期及び工事中断期間等を明示すること。     
  [施行規則第9条第14号]
    
2.「見やすい大きさの文字による表示」が明確に規定
   表示規約に規定する「見やすい大きさの文字」とは、原則として7ポイント以上の大きさの文字による表示(7ポイント未満の大きさの文字による表示であっても、文字の大きさのほか、文字数、レイアウト、書体、文字色、文字間隔、行間隔等を勘案して総合的に判断し、見やすい大きさの文字であると認められる文字による表示を含む)をいうと、明確に規定された。                                  
  [施行規則第10条]
 
3.物件の内容・取引条件等に係る表示基準が変更
   特に注意すべき変更点は次の2点である。
@  「物件の所在地」であるが、県庁所在地、政令指定都市及び特別区に所在する物件については、都道府県名を省略して表示することができるとした反面、個人の所有する中古住宅等の広告においては、個人情報保護法との関連から地番を表示しないこととされた。
  [施行規則第11条第2号]
A 「交通の利便性」であるが、旧規約では別表において利用する公共交通機関等の態様ごとに4項目に分けて規定していたが、少し分かり難いとの意見があったので、これを「交通の利便」と改め、その表示基準が新設された。    
  [施行規則第11条3号]
  具体的には、取引に係る物件の所在地域の実態から、公共交通機関を利用することが通例となっている場合と、これを利用しないことが通例である場合に分けて、次のとおり定められた。
  (i) 公共交通機関の利用が通例であるときは、鉄道等の最寄り駅等からの徒歩所要時間を表示すること、その最寄り駅等からバスを利用するときには、駅名、バスの所要時間及びバス停からの徒歩所要時間を表示すること、さらに、バスのみを利用するときは、バス停の名称と徒歩所要時間を表示することとされた。
  (ii) 公共交通機関を利用しないことが通例である場合には、物件の最寄り駅等までの道路距離を表示することとされた。
 
4.特定用語の使用基準について
   表示規約第18条第2項第1号から第5号までに掲げる用語については、旧規約第16条においてその使用を原則禁止し、例外的に一定の要件を満たす場合に限りその使用を認めることとされていたが、本条第2項では、その使用基準を緩和して、改正景品表示法の規定に沿い、当該表示内容を裏付ける合理的な根拠を有している場合を除き、当該用語の使用を禁止することとし、新たに第6号として、「完売」等著しく人気が高く、売れ行きがよいという印象を与える用語の使用基準が追加規定された。

具体的には、従来、「完全」、「完ぺき」、「絶対」、「万全」等全く欠けるところがないことを意味する用語は断定的に使用してはならない、となっていたが、表示内容を裏付ける合理的な根拠を示す資料を現に有している場合は使用できると改められた。また、「最高」「最高級」「極」「特級」等最上級を意味する用語、物件の価格又は賃料等について「買得」「掘出」、「土地値」、「格安」、「投売り」、「破格」、「特安」、「激安」、「バーゲンセール」、「安値」、等の用語については、表示内容の根拠となる事実を併せて表示する場合に限り使用することができると改められた。                          

5.物件の名称の使用基準について
   従来、別荘地以外では具体的な使用基準がなかったが、物件の所在する市区町村の町もしくは字の名称、又は地理上の名称を用いることは問題ないとし、使用基準を新たに設けた。ここでの注意点は特に、公園、庭園、旧跡等の名称を用いる場合は物件から直線距離で300メートル以内であることが定められたことである。また、駅名を用いるときは最寄りの駅等の名称を用いることも新たに規定された。                          
  [表示規約第19条]


  新設規定重要ポイント 
  
1.建築条件付土地取引
   表示規約第6条「建築条件付土地取引に関する広告表示中に表示される建物に関する表示」について表示規約第5条「広告表示の開始時期の制限」の規定が適用されないのは表示規約第6条第1号および第2号に規定する要件のすべてに適合する場合に限ることとされた。
   このうち特に重要な点は、
  @ 表示規約第6条第1号「ウ」に、建築条件が成就しない場合には、土地売買契約は解除され、かつ、土地購入者から受領した金銭は、名目のいかんにかかわらず、すべて遅滞なく返還する旨を明示することを定めたこと。
  A 表示規約第6条第1号「エ」の(ア)に、広告中に表示された建物の設計プランは、建物建築を請け負うこととなる建設業者が立案した参考としてのプランの一例にすぎず、土地購入者はこのプランに関係なく自らの意思で設計プランを立てることができること。
  B 表示規約第6条第1号「エ」の(イ)に、仮に土地購入者が参考プラン又は推奨プランを採用してこれを建築する場合の費用を、その内容を明らかにして明示させることにより、業者が一方的に企画立案した建物を売買するいわゆる「建売住宅の青田売り」と峻別したこと。

以上3点である。

2.自由設計型マンション企画
   これは、いわゆるコーポラティブ方式によるマンション建設の長所である、入居予定者が集まって自分たちの希望を最大限に盛り込んだマンションを建設・取得できるという側面を活用し、いずれ購入者になり得る一般消費者の意見をできる限り採用したプランを策定して、マンションを建設分譲しようとする新しいビジネスモデルに対応するための規定である。この手法は、いわゆるコーポラティブ方式によるマンションにおいて、建設事業が何らかの事情で頓挫した場合のリスクをすべて入居者が負うというのとは大きく異なり、マンション建設事業のリスクはすべて事業者が負担すること、売買契約等はプラン確定後に当該マンションの建設に際して必要とされる建築基準法第6条の建築確認を受けた後でなければ行ってはならないとしていることである。

つまり、この手法による場合には、通常のマンションの青田売りと同様、手付金等の保全措置など宅建業法の規制を受けることとなり、リスクが少ないということである。
また、この手法により建設されるマンションを購入しようとする消費者は、意見は自由に言うけれども、これを購入する義務はなく、逆に意見を述べたことをもってそのマンションが実際に建設される場合でも優先的に購入できる資格を得ることもないことを大前提とし、その旨を明示させている。
なお、この手法の場合、表示規約第7条第1号から第3号に規定するすべての要件に適合していることが必要となるが、中でも、建物プランを表示する場合には、一般の分譲マンションと区別するために、第1号の「ア」から「カ」までの事項を明示し、かつ、第2号の消費者の意見を聞くためのたたき台となる建築プランの表示を除き、第3号で建物の具体的な設計プランを表示させないようにしていることが重要である。

3.予告広告・副次的表示・シリーズ広告における特例
   予告広告においては、施行規則第6条第1項において、具体的な表示すべき事項のうち、別表1、4、6、8及び11中「●(黒丸)」印の事項を、「副次的表示」においては、施行規則第7条において、具体的な表示すべき事項のうち、別表1、4、6中「○(白丸)」印に「☆(ほし)」印を付けた事項の表示を省略することができることとした。

なお、表示規約第9条第3項では、「予告広告を行った媒体が定期刊行物であって、同一の媒体において本広告をすることが著しく困難と認められる場合には、規則で定めるところにより、他の媒体を用いて本広告をすることができる」と定めた。

また、施行規則第6条第3項及び第4項において、予告広告をする場合には、「予告広告である旨」を目立つ場所に14ポイント(約5ミリ四方の大きさ)以上の大きさで表示すべきこととし、「販売予定時期又は取引開始予定時期」及び「本広告を行うまでは、契約又は予約の申込みに一切応じない旨」については、「予告広告である旨」の表示に近接する場所に表示すべきことを明確に規定した。

4.物件の内容・取引条件等に係る表示基準
   表示基準については従来表示規約にて制定していたが、必要な表示事項と密接にかかわっていることから、大枠のみを表示規約に定め、具体的な基準は施行規則に移行するとともに、実態に合わない基準等を整理した。表示規約で定める大枠は次の13項目である。
  [表示規約第15条]
  @ 取引態様
A 物件の所在地
B 交通の利便性
C 各種施設までの距離又は所要時間
D 団地の規模
E 面積
F 物件の形質
G 写真・絵図
H 設備・施設等
I 生活関連施設
J 価格・賃料
K 住宅ローン等
L その他の取引条件 


5.入札及び競り売りの方法による場合の表示基準
   表示規約第17条「入札及び競り売りの方法による場合の表示基準」は、最近の取引方法の多様化と規制の透明性の観点から従来運用基準で定めていたものを表示規約に移行したものであり、具体的基準を施行規則第13条で定めた。

6.物件の名称の使用基準
 表示規約第19条「物件の名称の使用基準」は旧規約第17条「別荘地の名称使用基準」を、物件一般の名称の使用基準に拡大するとともに、その使用基準を明確化した。即ち、物件の名称として、物件の所在する市区町村の町若しくは字の名称、又は地理上の名称を用いることは原則として問題がないこととした。
これ以外の場合については、表示規約第19条第1項で、すべての物件に適用される名称の使用基準を4態様に分けたほか、同条第2項で、別荘地等に適用される名称の使用基準を5態様に分けて明確に規定した。
その具体的な内容であるが、表示規約第19条第1項において、すべての物件に適用される名称使用基準として、
@ 慣例として用いられている地名又は歴史上の地名を用いることができる。
A 最寄りの駅等の名称を用いることができる。
B 物件から直線距離で300メートル以内にある公園・庭園・旧跡等の名称を用いることができる。     
C 物件の面する街道、その他の道路の名称(坂名を含む)を用いることができるとされた。

7.不当な二重価格表示
@  表示規約第8章第1節「不当な二重価格表示」・同第2節「おとり広告」については旧規約では、第3章「特定事項の明示義務及び特定事項の表示の禁止」として、同第12条に「不当な二重価格表示の禁止」を、第14条に「おとり広告の禁止」をそれぞれ規定していたが、これらはいずれも不当な表示の一態様であるので、表示規約第8章にまとめて規定された。
A  表示規約第20条「不当な二重価格表示」については旧規約では、価格の有利誤認の有無を問わず、旧第12条第1号又は第2号に該当する二重価格表示以外のものを禁止するという立場を取っていたが、これを緩和して「事実に相違する広告表示又は実際のもの若しくは競争事業者に係るものよりも有利であると誤認されるおそれのある」二重価格表示のみを禁止することとした。そして、施行規則第14条及び第15条において、少なくとも旧規約において許容されていた「一定の条件の下で行う合理的な旧価格を比較対照価格とする二重価格表示」、並びに「割引条件等を明示して行う割引表示」は表示規約第20条の規定に該当しないことを明らかにした。

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