| ◎(建築条件付土地取引に対する |
| 独占禁止法の新しい解釈と注意事項) |
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| 1. |
建築条件付土地取引については、独占禁止法及び表示規約第5条(広告開始時期の制限)の両面から一定の制約があるため、表示規約施行規則第3条第12号(旧)は、独占禁止法に抵触するおそれのない条件の範囲を示した上、表示すべき事項を規定するとともに、その運用に当たっては、表示規約第5条(広告開始時期の制限)の脱法行為に該当することのないよう、建築請負契約を締結すべき「一定期間内」について「3ヶ月程度」を目安として運用してきました。
しかし、この規定の前提をなす独占禁止法上の考え方は、土地の販売に当たり、売主(その子会社を含む。)又はその代理人との間に、3ヶ月以内に建築請負契約を締結することを停止条件とする場合に限り問題がないとするものであり、昭和50年当時の不動産市場を前提とするものであるため、今日の不動産市場を踏まえた建築条件付土地取引に関する独占禁止法上の考え方について、あらためて照会したところ、「建築条件付土地取引は、建築請負契約を締結する当事者、期間及びその条件の種類・態様のいかんを問わず、それ自体が直ちに独占禁止法上の問題となるものではなく、当該宅地建物取引業者の市場における地位、宅地建物の需給の状況等を踏まえ、公正競争を阻害するおそれの有無によって個別に判断されるものであるとの見解に異議はない旨の回答があり、併せて一般からの相談等に対してもこのような考え方に基づき対応することとしている」ことが明らかにされました。
よって、建築条件付土地取引に対する新しい解釈に、施行規則第3条第12号の規定を適合させるため同条を別記掲載のとおり改正(平成15年7月3日)しました。 |
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| 2. |
建築条件の一定の期間について
建築条件付土地取引の問題は、前記のとおり、独占禁止法のほかに表示規約第5条の広告開始時期の制限の問題とも関係しています。旧「第12号」の建築請負契約を締結すべき「一定期間内」について、独占禁止法の観点からは「3ヶ月以内」にという要請があり、他方、広告開始時期の制限の観点からは、設計協議に少なくとも3ヶ月は要するものと考えられ、これに満たない期間を設定する場合には広告開始時期の制限の脱法行為の疑いが生じるということから、「3ヶ月以上」という要請があり、これらの相異なる要請を同時に満たすために、表示規約の運用上は、この「一定の期間内」を「3ヶ月程度」として運用してきたという経緯があります。
従来は、独占禁止法上の観点からの指導が先行し、表示規約第5条の観点からその期間自体が直接問題とされることはほとんどなかったが、独占禁止法の新しい見解の下においては、この期間の設定が当事者間の合意に委ねられることとなることから、この期間が3ヶ月より短くなる場合も考えられるが、このような場合には、この問題が正面から捉えられ、表示規約第5条の広告開始時期の制限の脱法行為として捉えられるおそれが生じることとなります。
したがって、広告開始時期の制限規定の脱法行為であると認定されないためには、取引の実質的内容が顧客の積極的な注文・指示にしたがって行われる建物の建築請負契約でなければなりません。
なお、建築協議期間について、例えば3ヶ月未満の短い期間を設ける等、事実上建物の内容及び価格等がほぼ確定しているものを取引する場合等は、表示規約第5条に違反するおそれが強いと考えられます。 |
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| 3. |
表示例
表示例を挙げれば次のとおりです。 |
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宅建業者が自己の土地を販売するに当たり、土地購入者が一定期間内に当該土地に建物を建築することを条件とする場合(建築工事の請負人を制限しない場合) |
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※この土地は、土地購入後3年以内に住宅を建築することを条件(解除条件)として販売します(建築業者は土地購入者が自由に選定できます)。
この条件が成就しなかったときは、売買契約は解除されます。 |
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【表示例2】
宅建業者が自己の土地を販売するに当たり、土地購入者が一定期間内に当該土地に建築する建物について、自己と建築請負契約を締結することを条件(停止条件であるか解除条件であるかは問わない。)とする場合
※ この土地は、土地売買契約後1年以内に当社と住宅の建築請負契約を締結して頂くことを条件として販売します。
土地売買契約後、建築設計の協議をして頂きますが、1年以内にこの請負契約が成立しない場合には、土地売買契約は解除され、当社は土地代金(申込証拠金、手付け金等を含む。)は全額無条件で返還し、土地購入者はその土地を原状回復の上当社に引き渡して頂く必要があります。 |
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【表示例3】
宅建業者が自己の土地を販売するに当たり、土地購入者が一定期間内に当該土地に建築する建物について、自己の指定する建設業者との間で建築請負契約を締結することを条件(停止条件であるか解除条件であるかは問わない。)とする場合 |
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※この土地は、土地売買契約後1年以内に当社の指定する建設業者との間で住宅の建築請負契約を締結して頂くことを条件として販売します。
土地売買契約後、建築設計の協議をして頂きますが、1年以内にこの請負契約が成立しない場合には、土地売買契約は解除され、当社は土地代金(申込証拠金、手付け金等を含む。)は全額無条件で返還し、土地購入者はその土地を原状回復の上当社に引き渡して頂く必要があります。 |
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※この土地は、土地売買契約後6ヶ月以内に下記のいずれかの建設業者との間で住宅の建築請負契約を締結して頂くことを条件として販売します。 |
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土地売買契約後、建築設計の協議をして頂きますが、6ヶ月以内にこの請負契約が成立しない場合には、土地売買契約は解除され、当社は土地代金(申込証拠金、手付け金等を含む。)は全額無条件で返還し、土地購入者はその土地を原状回復の上当社に引き渡して頂く必要があります。 |
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記
[1]○○ハウス(株)、[2]○○建設(株)、[3]○○住宅(株) |
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| 4. |
表示規約第5条に規定する広告等の開始時期の制限との関係について
建売住宅の青田売りについては、表示規約第5条及び宅建業法第33条の広告開始時期の制限並びに宅建業法第36条の契約締結時期の制限が課せられていることは、前述のとおりであり、この建築条件付土地取引は独占禁止法上の制約は原則としてなくなったものの、完全に当事者の自由意思によって契約できる訳ではありません。
というのは、表示規約と宅建業法により、建築工事完了前の建物の取引については、売買等の広告の開始時期が制限され、また、売買契約の締結時期も宅建業法により制限されているからです。
経済的観点からみると、建売住宅の青田売りも土地の所有権とその土地に新築された建物の所有権とを購入者が取得する訳ですから、一種の建築条件付土地取引という側面をもっています。
これを奇貨として、建築工事完了前の土地付建物の売買(建売住宅の青田売り)を、土地売買契約と建物請負契約の2つの契約に分解するものが見受けられます。
このような行為は、一見、表示規約第5条や宅建業法第33条の規制に違反しないように見えますが、結局これらの禁止規定を潜脱して、建売住宅の青田売りに関する広告を行うという目的を達成することになるので、このような表現形式や契約形式をとる場合でも、これらの禁止規定に違反するものです。
また、仮に、契約当事者間において建築条件付土地取引と称して契約等を行う場合であっても、建物の形質・規模・仕様その他の規格及び価格などがほぼ確定しているような場合は、実質的に建築工事完了前の土地付建物の売買を行うものと認められるものであって、表示規約第5条及び宅建業法第33条の規定に違反するものです。
前述のとおり、建築条件付土地取引に対する独占禁止法上の取り扱いが変更された結果、次のような問題があらためて浮き彫りとなりました。
すなわち、従来、独占禁止法上は土地売買契約後3ヶ月を超える期間を定めた建築条件付土地取引は不公正な取引方法に該当するものとして取り扱われる一方、表示規約第5条及び宅建業法第33条の規定からは、少なくとも3ヶ月以上の建築協議期間を設けないものはこれらの規定に違反するものとして取り扱われていました。
しかし、独占禁止法の新しい考え方によると、建築条件付土地取引において、建築すべき期間についても、原則として当事者間の自由意思に委ねられることとなったため、例えば土地売買契約後1ヶ月以内とするなど、極端に短い期間内に建物請負契約が成立することを条件とするもの(甚だしいものは、土地売買契約と建物請負契約を同時に締結することを条件とするもの、又は土地売買の契約書面を作成せず、土地を特定した上で建物建築請負契約の予約契約という外形をとって、実質的に建売の青田売りの売買契約を締結しているもの。)などが現れることが予想されるが、これらは明らかに広告開始時期の制限に違反するものとして取り扱われるものであります。
したがって、広告開始時期の制限規定を潜脱する行為であると認定されないためには、取引の実質的内容が顧客の積極的な注文・指示にしたがって行われる建物の建築請負契約でなければならなりません。
なお、建築協議期間について、例えば3ヶ月未満の短い期間を設け、事実上建物の内容及び価格等がほぼ確定しているものを取引する場合等は、表示規約第5条に違反するおそれが強いと考えられます。
広告開始時期の制限規定に違反する一般的事例としては、次のようなものが見受けられます。 |
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[1] |
建築確認申請中に建築条件付売地として広告する場合、 |
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[2] |
建物の設計が完了していつでも建築確認申請ができるような状態にあるのにも かかわらず、建築確認を受ける前に「建築条件付売地」として広告する場合、 |
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[3] |
業者間情報として出回ってる建築確認前の「新築建売住宅」の販売情報を基に 「建築条件付売地」の広告をする場合、 |
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などです。 |
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これらの場合、広告上は、建築条件付売地と表示してはいるものの、建物の内容及び価格が確定しているため、建物の完成予想図及び間取図を大きく描き、「土地価格/○○万円 建物価格/○○万円 土地建物総額○○万円」等と表示しているものが多い。
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